情報人類学(第1回)4月9日


印刷 印刷

1. きょうの目的

1-1. 授業の流れと評価について

【授業の流れ】まずシラバスより,授業の目的を抜粋しておきます.

この講義の目的は現代のネット社会で生じているさまざまな事象(できごと)に対して,社会学の立場から「情報」「メディア」「コミュニケーション」の視点を通じて理解できる力を習得することです.

おおよそに言うと,学期前半ではコミュニケーション・メディアとしての,つまり人びとが「つながる」ための道具であるインターネットについて主にメディア社会学の視点から解説していきます.

学期の後半では若者にとってのネット・コミュニケーション,という視点から現在のネット社会にかかわる流行現象や社会問題をとりまぜ,それらをケーススタディ(事例分析)しながら,みなさんと一緒に考えていきましょう.

【評価】みなさんが最も気にするだろう成績評価のやり方ですが,学期末にレポートを作成し提出してください.また学期中に複数回の小課題を出しますが,これらは全て学期末レポートを作成するためのプロセスに含まれます.つまり小課題を順番にこなしていくことでレポート作成に(自然と)つながっていくのです.

講義へは出席することが大前提ですので加点の対象ではなく,あまりにも欠席が多い場合は減点または不可の評価を付けることがありますので十分注意してください.ただし病欠や就活,ゼミ活動などのやむを得ない事情は考慮しますので,まずは内田まで連絡してください. メールでもTwitterのDMでも好きなやり方で連絡ください.

2. 社会学的に(論理的に)考える

シラバスには「社会学的にものごとを考える」と記載していますが,これはいったいどういうことでしょうか.ここではひとまず「論理的に考える」ことだとしておきます.この論理的に考えるための道具としてこの授業では「三角ロジック」を取り入れます.

2-1. 三角ロジック

三角ロジックとはどういうものかまずはこちらの図を見てください.

三角ロジック・モデル図
わたしたちが何かを主張したいときや他人を説得したいとき,論理的でないといけません.そのため自分の言いたいことを「ロジック(論理)」としてまとめ,組み立てる必要があります.このロジックを上手く組み立て,相手に伝えることができて初めて論理的である,と言えるのです.

ロジックを組み立てる方法はいくつかありますが,この授業では「三角ロジック」という方法を使います.今回はわかりやすさのために簡便な説明にとどめますので詳しく知りたい方は自分でも調べてみましょう.また授業の小課題として,この三角ロジックに取り組むものを出題する予定ですので,その際により詳しく説明します.

したがって今のところは「他人に対して主張する/説得する」ためには「根拠」と「論拠」も必要である,とだけ覚えていてください.根拠と論拠については以下のように捉えます.

  • 根拠:主張に「理由」となる情報.具体的な内容である(例:科学実験の結果や社会調査のデータなど)
  • 論拠:わたしが示した根拠がなぜ主張の理由となるのか,詳しく説明する内容である(例:自然の法則や学説・先行研究の成果など)

これらの説明を授業の内容にそくして言い換えると,

  • 主張:多くの大学生のあいだで「LINE疲れ」が蔓延しており,そのことがストレスの原因になっている.
  • 根拠:
    • 大学生のLINEユーザの利用調査結果(利用時間,スタンプの使い方,参加するグループ数,など)
    • 大学生の友人数調査(親友の数は何人?中高時代の友人と現在もつながっているか?など)
    • 大学生への意識調査(日常生活で何にストレスを感じるか?体調や学力の不調・低下は起きていないか?など)
  • 論拠:
    • LINEを利用したネット・コミュニケーションにおける特徴やメリット・デメリットを対象とした研究(書籍や論文として発表されている)
    • 大学生の友人関係がコミュニケーションのあり方をどのように規定しているか考察した研究
    • 大学生のアイデンティティの特徴について論じた文献

となるのです.

2-2. 練習問題

それでは授業の残り時間を使って三角ロジックの練習問題に取り組みましょう.授業中に配布する新聞記事をよく読んでから,記事の中で取り上げられている学長および学生の主張に対して,あなた自身はどちらの主張が正しいと考えるか,ロジックを組み立て,主張してみましょう.