情報人類学 第15回(7月23日)


印刷 印刷

きょうの授業の内容は今学期全体の「まとめ」です.

まとめ

1. きょう話すこと

  1. コンピュータとネットワークの開発・発展・普及の歴史 —>社会決定論/ソシオメディア論」的史観
  2. ウェブをコミュニケーションのメディアと捉える —>「アーキテクチャ論
  3. 「Web2.0/ゼロ年代」以降のポップカルチャー/サブカルチャー —> UGCというコンテンツのあり方とCGMという文化のプラットフォーム
  4. ウェブのコミュニケーション/文化を支えるわたしたち —>「デジタルネイティブ論
  5. 結局「オンライン」なのか「オフライン」なのか —>「コミュニティの二重性」と「ジオサイバースペース論」

2. 資料用の画像

3. ジオサイバースペース論(メモ)

3-1. 和田(2015)ジオサイバースペース論

  • 社会的ネットワークに着目
  • ジオサイバースペース geocyberspace(Bakis, 2001)

1)リアルスペースにおける既存の社会的ネットワークを強化するため

  • サイバースペースを補完や代替のメディアとして使う
  • Webサービスで言えば,FacebookやLINE

自治体/市民(地域住民)によるWebでの情報発信

2)サイバースペース上で新規に社会的ネットワークを形成する

  • ただし相互作用はサイバースペースのみで完結する
  • Webサービスで言えば,Twitter

地域住民によるオンライン・コミュニケーション/情報共有
リアルスペースでの行動には結実「せず」

3)サイバースペース上で新規に形成された社会的ネットワークが

  • リアルスペースに滲出(しんしゅつ)する
  • 対面接触を伴う物理的行動を創発する

地域住民によるオンライン・コミュニケーション/情報共有
→リアルスペースでの行動には結実「する」

3-2. キッチン(Kitchin, 1998)の「サイバースペースは地理的である」

1)サイバースペースを構成するコネクションは地理的に不均一に存在する

2)情報は身体(body)が存在する場所(locale)でこそ意味を持つ

3)サイバースペースは現実世界の中で空間的に固定された事物(インフラ,資源,市場,労働力,社会ネットワーク)に依存している

3-3. 山田村の地域情報化プロジェクト

1)村役場・情報センター(行政)からの情報発信は行われた

2)MLやまだ,や Yamadamura-net ではこのような現象はほぼ見当たらなかった

3)メーリングリストから「ふれあい祭」へ,さらに「ふれあい農園」「山田の案山子」へ → リアルスペースでの行動(活動)に結実した

参考文献

  1. 加藤晴明,2001,「コンピュータ・コミュニケーションのメディア文化」『メディア文化の社会学』福村出版
  2. 映画『(ハル)』,森田芳光監督,1996年公開,Wikipedia
  3. 映画『電車男』,村上正典監督,2005年公開,Wikipedia
  4. Hillery, G.A.Jr , 1955, Definitions of community: Area of agreement. Rural Sociology, 20.
  5. 川上善郎・川浦康至・池田謙一・古川良治,1993,『電子ネットワーキングの社会心理』誠信書房
  6. 加藤晴明,2001,「コンピュータ・コミュニケーションのメディア文化」『メディア文化の社会学』福村出版
  7. 矢田部圭佑,2012,「私としての私」矢田部・山下玲子編『アイデンティティと社会心理』北樹出版
  8. 粉川一郎,2012,「ネット空間の中の私たち」矢田部・山下編『アイデンティティと社会心理』北樹出版
  9. 粉川一郎,2013,「ネットコミュニティのプロデュース」中橋雄・松本恭幸編『メディアプロデュースの世界』北樹出版
  10. Hillery, G.A.Jr , 1955, Definitions of community: Area of agreement. Rural Sociology, 20.
  11. ハワード・ラインゴールド(会津泉訳),1995,『バーチャル・コミュニティ』三田出版会
  12. 村井純,1995,『インターネット』岩波新書
  13. 浜野保樹,1997,『極端に短いインターネットの歴史』晶文社
  14. 村井純,1998,『インターネット2―次世代への扉』岩波新書
  15. 加藤晴明,2001,「コンピュータ・コミュニケーションのメディア文化」『メディア文化の社会学』福村出版
  16. 喜多千草,2003,『インターネットの思想史』青土社
  17. ティム・バーナーズ=リー(高橋徹監訳),2001,『Webの創成―World Wide Webはいかにして生まれどこに向かうのか』毎日コミュニケーションズ
  18. ばるぼら,2005,『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』翔泳社
  19. 山形浩生監修,2006,『あたらしい教科書,9,コンピュータ』プチグラパブリッシング
  20. 三浦麻子,2008,「インターネット革命―私たちのコミュニケーションを変えたもの」橋元良明編著『メディア・コミュニケーション学』大修館書店
  21. 大向一輝・池谷瑠絵,2012,『ウェブらしさを考える本―つながり社会のゆくえ』丸善ライブラリー
  22. 粉川一郎,2012,「ネット空間の中の私たち」矢田部・山下編『アイデンティティと社会心理』北樹出版
  23. 杉本達應,2013,「文化としてのコンピュータ―その「柔軟性」はどこからきたのか」飯田豊編『メディア技術史』北樹出版
  24. 杉本達應,2013,「開かれたネットワーク―インターネットをつくったのは誰か」飯田豊編『メディア技術史』北樹出版
  25. 粉川一郎,2013,「ネットコミュニティのプロデュース」中橋雄・松本恭幸編『メディアプロデュースの世界』北樹出版
  26. 村井純,2014,『インターネットの基礎―情報革命を支えるインフラストラクチャー』角川学芸出版
  27. ばるぼら,2014,「日本のネットカルチャー史」川上量生監修『ネットが生んだ文化―誰もが表現者の時代』角川学芸出版
  28. 遠藤薫,2004,『インターネットと〈世論〉形成』東京電機大学出版局.
  29. Granovetter, M. S., 1973, “Strength of Weak Ties”, American Journal of Sociology, 78(6).
  30. 橋元良明ほか,2002,「インターネット・パラドックスの検証」『東京大学社会情報研所調査研究紀要』18号
  31. 橋元良明ほか,2004,「パネル調査によるインターネット利用の影響分析」『東京大学社会情報研究所調査研究紀要』21号.
  32. 今井健博,2005,「携帯メールの絵記号使用の男女差」(関西大学社会学部2004年度卒業論文).
  33. 石井健一ほか,2000,「内容分析による個人ホームページの国際比較」『東京大学社会情報研究所調査研究紀要』14号.
  34. ヤコブソン,R. (田村すゞ子ほか訳),1963=1973,『一般言語学』みすず書房.
  35. 謝名元慶福,1994,「現代中学生・高校生像」『NHK放送文化研究所調査研究年報』39集.
  36. ジョインソン,A. N. (三浦麻子ほか訳),2003=2004,『インターネットにおける行動と心理一バーチャルと現実のはざまで』北大路書房.
  37. カッツ,J. E. & M. オークス編(富田英典監訳),2002=2003,『絶え間なき交信の時代』NTT出版.
  38. 川浦康至ほか,1999,「人はなぜウェブ日記を書き続けるのか」『社会心理学研究』14巻3号.
  39. 小林正幸,2001,『なぜ,メールは人を感情的にするのか』ダイヤモンド社.
  40. Kraut, R. et al., 1998, “Internet Paradox”, American Psychologist, 53.
  41. Kraut, R. et al., 2002, “Internet Paradox Revisited”, Journal of Social Issues, 58(1).
  42. 中村功,2001,「携帯メールの人間関係」東京大学社会情報研究所編『日本人の情報行動2000』東京大学出版会.
  43. 中村功,2003,「携帯メールと孤独」『松山大学論集』14巻6号.
  44. NHK放送文化研究所,2004,『現代日本人の意識構造』,第6版,日本放送出版協会.
  45. 日経産業消費研究所,1998,『データにみる若者の現在 98 年版』日経産業消費研究所.
  46. 大谷信介,1995,『現代都市住民のパーソナル・ネットワーク』ミネルヴァ書房.
  47. 柴内康文,1998,「言い争うー『フレーミング』論争の検証」『現代のエスプリ』370号.
  48. 鈴木謙介,2002,『暴走するインターネット』イ一ストプレス.
  49. 辻大介,1999a,「若者のコミュニケーションの変容と新しいメディア」橋元良明・船津衛編『子ども・青少年とコミュニケーション』北樹出版.
  50. 辻大介,1999b,「若者語と対人関係」「東京大学社会情報研究所紀要」57号.
  51. 辻大介,2003a,「若者の友人・親子関係とコミュニケーションに関する調査研究」『関西大学社会学部紀要』34巻3号.
  52. 辻大介,2003b,「若者における移動体通信メディアの利用と家族関係の変容」関西大学経済・政治研究所人間・社会関係問題研究班編『21世紀高度情報化,グローバル化社会における人間・社会関係』,研究双書133,,関西大学経済・政治研究所.
  53. 辻大介・三上俊治,2001,「大学生における携帯メールの利用と友人関係」,第18回情報通信学会大会個人研究発表配付資料;http://www.d-tsuji.com/paper/r02/index.htm).
  54. 吉田純,2000,『インターネット空間の社会学』世界思想社.
  55. 辻大介,2005,「第9章 電子メディア上のかかわり」井上俊・船津衛編『自己と他者の社会学』有斐閣アルマ.
  56. 木村忠正,2012,『デジタルネイティブの時代 なぜメールをせずに「つぶやく」のか』平凡社新書.
  57. 和田崇,2015,「インターネットと地理・空間」荒井良雄・箸本健二・和田崇『インターネットと地域』(ナカニシヤ出版)
  58. Bakis, H., 2001, Understanding the geocyberspace: a major task for geographers and planners in the next decade, NETCOM 15, 9-16.
  59. Kitchin, R, 1998a, Cyberspace: The World in the Wires. New York: Wiley.
  60. Kitchin. R, M, 1998b, Towards geographies of cyberspace. Progress in Human Geography 22, 385-406.
きょうで今学期の授業はおしまいです.半年間おつかれさまでした.みなさんの力作であるレポートを読むのが楽しみです :-)

コメントを残す