主題文を作ろう

1. 最初の主題文

レポート作成における「主題文」の効用については,井下千以子先生(桜美林大学)が書かれたテキストである『思考を鍛えるレポート・論文作成法』(2013年,慶應義塾大学出版会)のp.47に詳しく書かれています.少し長いですが以下に引用します.

主題文(thesis sentence)とは、レポートで自分が主張したいことを簡潔に述べた文章です。アウトラインを作成するのではなく、いきなり、文章にするのは難しいのではないかと思う人もいるかもしれません。

実際に、ある程度レポートを書き慣れている人で、レポートの論理構成が頭に入っているのであれば、キーワードを階層的に並べ替え、アウ トを トラインを書くことも難なくできるでしょう。

しかし、レポートを書くことが初めてという人にとっては、また、日頃、本をあまり読まないという人は、論理を構成するというイメージがわかず、キーワードをどう並べて階層化するのか、あるいは、見よう見まねでアウトラインを作成しても、その後、どう文章化したらよいのか、 何から書き出したらよいのか、その段階でつまずいてしまいます。

でも、大丈夫!

主題文は、レポートの目的を、頭の中で整理し、それを文章にすることによって、論理を組み立てていくプロセス、考えるプロセスを支援してくれる役目を果たします。

まずはこのやり方に従って,〈最初の主題文〉を書いてみましょう.

1-1. 3つのパーツから成り立っている.

  • 主題 論点とする内容: が問題となっている.
  • 根拠 主張の裏付け: という.
  • 主張 自分の意見: と主張する.

1-2. 〈最初の主題文〉の例文

 中学生の間でLINEのやり取りを巡り、人間関係が問題になっている。一日中、友達とやり取りをし、それがストレスになっているのに手放せないという。まずは、親子で使い方を話し合うこと、対話が重要だと主張する。(101文字)

—> 例文の中にある 主題・根拠・主張 をそれぞれ探し出してみよう.

2. 三角ロジックで考える

3. 決定版の主題文

つぎに〈最初の主題文〉をさらにブラッシュアップするため,自分が考えた三角ロジックにそって書き直します.これが〈決定版の主題文〉となります 1)

3-1. 主題文作成の要点まとめ

  1. 論点を提示し,その問題の背景を説明する.—> 主題
  2. 根拠に基づき,自分の意見 = 主張を述べる.
  3. 自分が示した根拠がなぜ主張の裏付けになるのか,その理由 = 論拠を述べる.
  4. 自分の主張とは異なる主張を根拠に基づき批判する.<— 少し高度なテクニック
  5. 結論として,自分の意見を明確に主張する.

〈最初の主題文〉から発展させた〈決定版の主題文〉には,必ず根拠主張論拠,の4つのパーツが組み込まれており,最低でも4つの文(センテンス)から構成される(以下にあるテンプレートを利用すると書きやすいでしょう).

3-2. 4つのパーツから成り立っている

  • 主題 論点とする内容 が問題となっている.
  • 根拠 主張の裏付け という(なので).
  • 主張 自分の意見 と主張する(べきだ/である).
  • 論拠 根拠が主張の裏付けとなる理由:なぜならば ○○○○ だからだ.
井下先生(のテキスト)によると,〈決定版の主題文〉は本文の5%程度にまとまるようにする(2,000〜3,000字のレポートならば150字程度が理想)とあります.

3-3. 〈決定版の主題文〉の例文

 中学生のLINEのやり取りを巡り、ネットいじめや学校裏サイトなど、人間関係のトラブルが深刻化している。親がメールのやり取りの実態を知らないことが多く、親子で十分に話し合うことが大切だ。一方的に使用の制限を強いることは、LINEがコミュニケーション手段となっている中学生にとって逆効果となる。家庭や学校での健全なコミュニケーション育成が重要だと主張する。 (176文字)

—> 例文の中にある 主題根拠論拠主張 をそれぞれ探し出してみる.

[注]

  1. 井下先生が提唱される方法では三角ロジックという考え方はありませんが,ここでは筆者(内田)の改良案として三角ロジックにそって主題文を書いてみる,という方法を採用しています.

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